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ヨガ小説 ①

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『人生が変わった、わたしのヨガ体験談』

■派遣社員C子(26)の場合。

 

「こんな自分、もうイヤ… 」

仕事の帰り道、C子(26)は、深いため息をつきながら、自宅へと重い足取りで向かっていた。

 

彼女は、1ヶ月ほど前から、銀行の受付として配属され、働いているのだが、毎日のように、お局らのひどいいじめに遭っていた。上司も女の争いには関わるまいと見て見ぬ振りだ。彼女はおとなしい性格だし、見た目も地味なタイプだ。誰も彼女のことを助けてはくれない。そんな中、唯一彼女のことをいつもそっと気にかけてくれる人物がいた。

それは、法人営業部のO君(25)だ。顔は俳優の坂口健太郎似の塩顔のイケメンで、C子より1つ年下だが、年齢の割に大人びていて、おまけに仕事もできる。お局さんに何かされたときは、決まってあとから「C子さん、あんなのに負けちゃダメだ。もっと自分に自信をもって」とそっと励ましてくれたのだ。O君だけが、今の彼女の支えだった。そんな優しいO君に、いつしか密かに淡い恋心を抱いてはいたのだが、彼女は、いつも自分に自信がなかった。自分のような地味な女には誰も興味なんてないんだろうなと思い込み、恋愛も最初から諦めてしまうようなタイプだった。

 

自宅の最寄駅の改札を出て、駅前前の通りを、とぼとぼと歩いていると、ふとある看板の文字が目に留まった。

 

『新しい自分に出会える体験レッスン』

 

いったい何の体験だろう?

何か目に見えないパワーに引寄せられるように、彼女はふらふらと雑居ビルへと入っていった。

中に入ると、受付があり、その上には不思議なアジアン雑貨が飾ってある。清潔で、どこかほっとする照明の店内だ。

「いらっしゃいませ。体験の方ですか?」

彼女は反射的に、そうですと答えていた。すると、受付の人はにっこりして、「ウェアやマットなど全てレンタルできますので、ご安心ください」と親切に教えてくれた。

ウェアにマット…?

そう、ここはホットヨガの教室だった。彼女は、知らず知らずのうちにホットヨガの教室に足を踏み入れていたのだ。受付の方が丁寧にレッスンや料金などについての説明をしてくれ、「ちょうどこれからレッスンがありますので、ぜひ体験してくださいね」と優しく案内してくれた。さっそく更衣室に入り、用意してくれたウェアに着替え、彼女はおそるおそる薄暗いスタジオの扉を開き、中へと入っていった。

 

それからというもの、彼女は、この日の体験をきっかけにホットヨガの教室に通い始めた。仕事終わりや休日の空いている時間に、予約もネットからすぐにできるので、通いやすい。

ヨガをしている間、瞑想や深い腹式呼吸を通して、仕事での嫌な出来事は、みんな忘れることができ、自分自身と向き合えた。少し太り気味だった体型は、みるみる引き締まった。長時間のデスクワークで肩こりに悩んでいたが、いつの間にか解消されていた。大量の汗をかいて、デトックスされたせいか、お肌の調子も毎日とてもいい。化粧ののりが以前とは比べ物にならないくらい違うのだ。

しかし、何よりも前より自分に自信が持てて、ポジティブになることができた。次第にお局たちのいじめもなくなり、毎日充実した日々を過ごせるようになっていった。任される業務も増えていき、仕事にやりがいを感じ始めていた。

そして、何と最近になって営業部のO君からとつぜんデートに誘われたのだ。以前の彼女なら断っていただろうが、今の彼女は恋愛に対しても。ポジティブになっていた。

デートの際、O君は不思議そうにC子を見つめて、こう言った。

「C子さん、最近何だか変わったね。前より輝いてる。どうして?何かあったの? 」

「うん!新しい自分に出会えたからかな? 」

彼女の笑顔は以前に増して輝いていた。彼女は、ダイエットがしたかったわけでも、運動がしたかったわけでもない。

ただ自分を変えたかった。

ヨガに出会ってから、C子の人生は大きく好転した。

 

さあ、次はあなたの番です!これを機に、ヨガの体験レッスンに申し込んで新しい自分を見つけてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

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